YAMAHA HS3 レビュー|小型でも“YAMAHAサウンド”は健在。素直な音が好きな人におすすめ

こんにちは、もぶるです。

YAMAHAの定番モニター「HSシリーズ」のコンパクトモデルということで、以前から気になっていた「HS3」をついに購入しました。

1ヶ月ほど使って感じたことをリスニング用途目線で書いていきます。

もぶる

業務向けということもあり、非常に精密なサウンドを鳴らしてくれますよ。

YAMAHA HS3について

YAMAHA HS3は2023年11月23日に発売したモニタースピーカーです。

同日に一回り大きいサイズのHS4も発売されました。

YAMAHA HS3のスペックは下記のとおり。

形式2-way バスレフ型モニタースピーカー
総出力電力26 W + 26 W
再生周波数帯域70 Hz 〜 22 kHz
スピーカーユニットHF:0.75インチ ドーム
LF:3.5インチ コーン
出力端子・ヘッドホン出力
・スピーカー出力
入力端子・コンボジャック(XLR/TRS)
・RCA
・ステレオミニ
本体サイズ左側:
132 × 223 × 189 mm
右側:
132 × 223 × 177 mm
重さ左側:
2.8kg
右側:
2.1kg
ヤマハ公式より引用

本機はBluetooth接続には非対応。スマホなどとスピーカーを無線接続したい方は注意してください。

カラー展開は「ブラック」と「ホワイト」の2色です。

YAMAHA HS3の付属品

YAMAHA HS3の付属品は下記のとおり。

YAMAHA HS3の付属品

・スピーカー本体(2台ペア)
・ステレオミニ-RCAケーブル 1.5m
・スピーカーケーブル 2.5m
・滑り止めパッド
・クイックスタートガイド
・セーフティガイド

もぶる

スピーカーケーブルをスピーカー本体にセッティングした後に、ステレオミニ-RCAケーブルを接続するだけですぐに使い始められますよ。

YAMAHA HS3の実機レビュー

MOTU M2からTRSケーブルを使ってYAMAHA HS3に接続しています。

ちなみにオーディオインターフェースとスピーカーの接続に使っているケーブルはこちらの製品です。

↓ケーブル長2m

↓ケーブル長1m

YAMAHAらしい素直なサウンド

まずは音の感想から。自分は制作などには使っておらず、リスニング用途です。

音域音の評価
高音域クリアで美しいサウンド。味付け感のようなものがなく、音源をそのままストレートに再生してくれます。
中音域鮮明かつストレートなサウンド。解像度が高く、シビアに再生してくれます。音楽だけでなく、動画の音声などを聞いていても、録音環境の違いが鮮明に感じられて面白いです。
低音域無理のない自然な低域。ブヨっとした低音ではなく、非常にタイトかつ明瞭に鳴らしてくれます。ただ、沈み込むような深い低域の再生はできません。

全体的にとても素直な音を鳴らしてくれる真面目なスピーカーという印象。

THE・モニタースピーカーというようなドライなサウンドで中高域のクリアさ、無理のない安定感のある低域は魅力的です。

もぶる

余計な響きなどを付与せず音源をそのまま鳴らしてくれるので、人によっては味気ないように感じてしまうかもしれません。

音バランスはどちらかというと中高域寄りで、低域はわりとすっきりしていますね。

モニタースピーカーとしてはサイズが小さめなこともあり、深い低音は出ません。

ただ、筆者のようにあまり大きな音を出せない環境に住んでいる場合、低音が響きすぎないのでかえって使いやすいですね。

モニタースピーカーということもあり、定位感はかなり優秀でパンの振りなどもしっかり確認できます。

もぶる

「音を盛らずに、楽曲データを淡々と鳴らしてくれる」そんなスピーカーです。

前面には電源/音量調整ノブとステレオミニ出力を配置

YAMAHA HS3は片側(左側)のスピーカーに電源・入出力端子が集約されているタイプのスピーカー。

前面には電源/音量調整ノブが配置されています(主電源は背面側にある)。

背面に電源や音量調整ノブがあるスピーカーに比べて、はるかに操作がしやすいです。

また、ヘッドホン出力(ステレオミニ)も配置されているので、有線のイヤホン・ヘッドホンを接続することもできます。

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オーディオインターフェースを持っていない方にもおすすめです。

背面には3種類の入力とコントロールノブを配置。Bluetoothには非対応

YAMAHA HS3には、コンボ端子・RCA端子・ステレオミニ端子の3種類の入力端子が備わっています。

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コンボ端子はXLR/TRSフォーンを兼用しているため、実質4種類の入力に対応していることになります。

なお、Bluetoothには非対応。スマホなどから無線で音楽を流したいという方には向いていません。

また、YAMAHA HS3は音質の調整が行える「ROOM CONTROL機能」を搭載。

スピーカーはヘッドホンなどとは異なり、周囲の環境に音が大きく影響されます。

例えば、バスレフポートが背面にあるスピーカーは、設置場所が壁に近いと壁からの音の反射によって低音が強くなってしまいます。

そんな時にこの「ROOM CONTROL機能」を使えば、いくらかサウンドを調整できるわけです。

もぶる

時間をかけて自分好みのサウンドにセッティングをしていくのが楽しそうです…!

YAMAHA HS3と1万円台の人気製品「Edifier MR3」を比べてみた

他のスピーカーと比べるとどうだろう?ということで、手持ちのEdifier MR3と比較してみました。

MR3もかなり人気のあるスピーカーで、Amazonランキングではいつも上位に入っています。

そんなMR3とYAMAHAの主な違いは下記の通り。

YAMAHA HS3Edifier MR3
音の特徴・まさに「モニター」というサウンド
・MR3に比べると高域がシャープで、低音はタイトで質感が高い
音の解像度は全体的にHS3の方が上
・音の立ち上がりもHS3の方が明瞭
・全体的に柔らかめのサウンド
・HS3に比べると、高音のシャープさが控えめで、低音は少しぼやけているように感じる
入力端子・コンボジャック(XLR/TRS)
・RCA
・ステレオミニ
・TRS
・RCA
・ステレオミニ
Bluetooth接続非対応対応
※コーデックはSBCのみ、2台までマルチポイント接続可能
価格24,000〜27,500円13,500〜14,980円
※セール時は11,500円ほどで購入可能
こんな方におすすめ!・より正確なサウンドを求める方
・音楽・動画クリエイターの方
・柔らかめのサウンドを好む方
・コスパを重視したい方
・Bluetooth接続を使いたい方

「音の正確さ」を最優先するならHS3「価格と手軽さ」を重視するならMR3、という棲み分けになりますかね。

シンプルに出音のみを比べると、YAMAHA HS3の方が全体的に高性能。

特に「高域・低音域の明瞭さ」「音の立ち上がりの正確さ」はHS3の方が明確に上のレベルに感じますね。

ただ、Edifier MR3にも「セール時に11,500円ほどで購入できる」と「Bluetooth接続可能」といった魅力があります。

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MR3のレビュー記事も書いていますので、気になる方はぜひ。

Edifier MR3 レビュー|音・機能性・価格のバランスに長ける1万円台スピーカー。少し音にこだわりたくなった方に最適

こんな方にはYAMAHA HS3は向かないかも

YAMAHA HS3は非常に良いスピーカーですが、用途や価値観によっては合わないと感じる方もいると思います。

こんな方にはYAMAHA HS3は向かない可能性が高めです。

こんな方には向かないかも
  • 迫力のある低音を楽しみたい方
    YAMAHA HS3の低音は非常にタイトで量感はやや控えめ。ゴリゴリの重低音を求める方には、物足りなく感じるかもしれません。
  • ワイヤレス接続が必要な方
    YAMAHA HS3はBluetooth非対応。スマホなどとワイヤレス接続することはできません。
  • 情緒ある音や味付けのあるサウンドを楽しみたい方
    YAMAHA HS3は制作向けのスピーカーです。音源を脚色することなくそのまま鳴らすことを目的としているので、人によっては味気ない音に感じてしまう可能性があります。

YAMAHA HS3 レビュー まとめ

YAMAHA HS3はこんな方におすすめのスピーカーです。

YAMAHA HS3はこんな方におすすめ!
  • デスク周りで使いやすい制作向け小型スピーカーを探している方
  • 無駄な味付け感の少ない正確なサウンドが好きな方
  • プロたちが制作に使っている音を体験してみたい方
  • 環境的にそこまで大きな音を出せない方

制作向けのスピーカーですが、派手なサウンドが苦手な方のリスニング用途にもおすすめです。

正確な音で自分の好きな音楽を楽しみたい方は、ぜひチェックしてみてください。

YAMAHA HS3が気になる方におすすめのヘッドホン

「素直な音が好きだけどスピーカーは使えない時間帯も多い」という方には、モニター寄りの音が楽しめるヘッドホンもおすすめです。

実際に使って良かったモデルを、下記の記事で詳しくレビューしています。